パネルディスカッション
コーディネーター 大泉 英次 氏(和歌山大学経済学部教授)
角谷 勝司 氏 (海南商工会議所会頭)

トップバッターでやらせていただきますが、私もみなさんから意見を聞かせていただく場だと思っております。商工会議所の会頭になって3年、1期目の任期が終りましたが、今月に改選がございまして、再度会頭に就任いたしました。これから3年間、商工振興の発展に務めさせていただきます。これからもよろしくお願い申し上げます。
私は会頭になりまして、市民党にならなくてはならないと思っています。公平、平等に商工振興に携わる皆さんのお役にたたなくてはならない。海南市の行政が左を向いているのに、私が右を向いてはいかん。ともに連携して様々な取組みをおこなっていきたいと思っております。
海南には大手企業も進出していますが、やはり海南市は従来の伝統ある地場産業が元気にならなくてはならない。その中でも家庭日用品業界は、業界のみなさんの努力で、不況でしんどいといっていますが、生産出荷額が年間700億円を維持してきています。当然、長い年月の間に中身も変わってきています。それは、この産業が労働集約型の産業のため、今や全体の70%が海外で生産され、地元の生産は30%となっているところです。
伝統の漆器産業の方は、和の伝統を守ると言うことはいいのですが、生活環境の変化や消費者のニーズに合わなくなっており、衰退というか、数字が下がってきています。
家庭用品業界はなんとかやっているのですが、雇用を無視した販売が問題です。このままでは、地場産業がなくなってしまう。危機を感じています。
海外に行って技術を教えて、中国で生産される。それを買ってきて売るのですが、今や川下の小売り屋さんが、中国から直接輸入するようになってきています。これではいつかひどい目に遭うのではないかと思います。海南に目を向けてもらうことが大事ではないか、そして海外にできないものを海南でつくれば、必ず海南に目を向けてくれる。
私は、20年前から、海外にどんどん出て行っては海南の雇用がなくなるということから、今日まで日本製で頑張っています。きびしいけれども逆に「日本製だからがんばれ」というファンもあります。地元でものを作る努力をすれば雇用の確保ができるのです。
ただ、これからの雇用は、昔と違い、何でもかんでも手間をかけるのではなく、手間をかけずにいいものをつくる工夫が大事です。中国に負けないものを造る努力が大事だと思います。
そういうことを業界のみなさんに呼びかけています。いま、尖閣諸島の問題でいろいろありますが、これも中国との関係を考えるいい機会だと思います。日本で頑張ろうという企業がでてくれば、雇用も確保されると考えています。
県知事さんからも雇用・雇用といわれますが、まず企業をそだてなくてはならない。企業自身が努力して、何でも海外で作るのではなしに「Made in Japan」で優秀な商品を作るようになっていければと思っています。
次に、地元の商店街の問題です。時代の流れをどうみるか。今の時代に合っているかを考えて欲しい。オークワが昭南跡地にできる。海南市民にとっては、便利になる。たぶん新しいサービスを考えて出店してくるはずです。そこで小さくてもいい、他にまねができないようなサービスを商店街のみなさんもお考えになっていただいて、それを会議所も支援していくことがこれからの考え方ではないかと思っています。
幸い、新しい市民病院が商店街の隣地にできます。この3年の間に、中心市街地から新しいサービスを考える必要がある。安売りしようというような、どこでもできることではなく、大型店にできない心のサービスが大切だと思います。節約・節約といいますが、いいものであれば、お客さんは買ってくれます。
だから、ものづくりでも私は、いい価値あるものを作らなければならないと思います。「高いけれども買って良かった」とお客さんから言われるものづくりを目指しています。
海南のようなところでは、地方経済は商工だけでなく、商工農水のコラボが大事かと思われます。その点で、みなさんからよかったなといわれることもしたいし、商工会のみなさんとも力を合わせたいという思いがあります。
日本は資源のない国と嘆く人がいます。しかし、資源のある国にノーベル賞の多い国があるかなあと考えます。資源のない国だからノーベル賞が一番多い。資源がなければ知恵がでるのです。海南という町は、よく考える町だなといわれるようにしたい。不況は、考える機会を与えるチャンスだと前向きに取り組んだらいいのではないかと思います。